エイリアンハーフで強い霊感を持つエイミー。見えない存在を「友人」だと言えば周囲は気味悪がった。彼女は孤立し、ますます人でない存在との交流を深めた。人付き合いの少なさから精神は幼く不安定だ。それ故に無垢で臆すことない心を持っている。彼女は知っている。霊とは強い未練を残した悲しい存在で、救いを求めるか弱い心だと。攻撃的なのはそれだけ深く傷ついているからで、傷つきたくないという怯えた心だと。エイリアンは記憶と感情に干渉する力を持つ。力を行使することで魂に寄り添い心の傷を癒すことができた。だから霊能探偵になった。天職だ。　　　　　帰り道で喧嘩に遭遇する。一人が駆け出していき、もう一人の男性はその場に佇んでいる。喧嘩とは無縁そうな優し気な容姿。けれど表情は暗い。彼に複雑な心の色を感じて立ち止まる。その理由を知りたいと思った。いけないと知りつつ初めて生者に力を行使し、彼の記憶と心の断片を知った。飢えは寂しさから、攻撃的なのはつまり…。男はその場を去ったがエイミーは動けなかった。もっと彼の心に触れ慈しみたいと思った。こんな感情は初めてだ。#copandaorange